【お金】やりたいことをしても投資した費用が埋没する「サンクコスト効果」の罠
ゲームの好きな人が、ゲーム制作会社に就職したら、ゲームができなくなる。
歌を歌うのが好きな人が歌手に成りたいから成っても売れない。
当たり前ですね。
どちらも趣味でやっているから楽しいわけです。
何かに成りたい動機で始めたことは鎖になり絡まる
「成る」というのは、子供がいるのに独身に見える人がいるように、他者が決めることです。
つまり、成ったかどうかは、自分以外が認めたかどうかということです。
プロとアマの違いでもあります。
たとえば、自分がいくら清潔感があると思っても、肩にフケがあるだけで、他者から見たら清潔とは言えない。
たまたま、その日に限ってフケがあってもです。
清潔にすることと、清潔感があることは別物なので、清潔感のある自分に成りたいと思っても、他者がフケを認めないなら、成ったとは言えないのです。
年収数億と言われる高級車に乗る人が、金持ちに成った自分をSNSで投稿しても、住所がバーチャルオフィスなら、なんで金持ちなのに?と思って普通です。
昔、自分の将来を左右する日の朝、コンビニで櫛を買い、道中で髪をとかす人がいました。
私、その時、思ったんです。
この人は、すぐやめることが起きるだろうな、と。
なぜなら、本当にやりたいことがそれじゃないというのが、コンビニで櫛を買う動作に現れているからです。
その会社を選んだのは、妥当ではなく妥協だったのでは?と思いました。
チャンスというのは、いつ来てもいいように用意している人から優先的に巡ってきます。
それに、人間は、本当にやりたいことなら、「成りたいからやりたい」と思う以前に、体が先に動いてしまいます。
だからこの人の場合、「面接で印象のいい自分に成りたい」というのが、本音だろうと推察できました。
成りたいから何かをすると、やることだけが増えていく
もったいないから、もしくは意地で続けてしまう。
それを「サンクコスト効果」といいます。
日本語で「埋没費用」といいます。
たとえば、クローゼットに何年も着ずに置いてある洋服。
着なくなった服をとっておくことは、やりたい事じゃないと薄々気づいていても、なかなか捨てられないという事象です。
このように、
回収不能となった投資金額や時間を惜しみ、投資を継続してしまったり、意思決定を誤ってしまったりする心理的傾向のことを「サンクコスト効果」といいます。
洋服がクローゼットに埋没しているわけですね。
面白くない映画を途中で観るのをやめたら、つまらない時間が「埋没費用」です。
観ない時間は返金されないですからね。
「成りたいからやりたい」も同じです。
美容整形などがそうです。
綺麗に成りたいからやる。
そしてエスカレートしていく。
回収不能となった投資金額や時間を惜しみ、投資を継続してしまう。
情報コレクターたちも同じです。
見て終わり、聞いておしまい、勉強になったと満足したのに、もっと他にいいのがあるんじゃ?と思って違うところに入会する・・・まさにサンクコスト効果です。
見聞きした知識を使いこなせないんですね。
目的が「成ること」で、手段が「参加すること」だから、参加したら「できた気に成る」からです。
たとえば、彼氏がほしいのではなくて、彼氏がいる自分に成りたい人が恋愛アプリにハマるとかも「サンクコスト効果」です。
投資した時間を惜しむから、ハマってしまうんですね。
またある人は、あれもこれも学んできたから、持っている知識を全部、商品やサービスに詰め込みたいと言われました。
サンクコスト効果にハマっている自分に気づいていないんですね。
あれもこれもやってきたから、一つに絞るのは「もったない」と言ってる時点で、埋没費用なんですね。
その人は、「一つにつなげることはできないの?」と言ってました。
そもそも、一つにつなげたい理由が「学んできたことがもったいないから」だったら、お客さんのためじゃないわけです。
目的は、自分の「もったいない」を何とかするためです。
こういう人は、また「やりたいこと」ができるから際限がありません。
それに、売上を自分のやりたいことに使っていくと、いつまで経ってもお客さんのための投資ができません。
だから、それ以上伸びないんです。
お客さんのニーズを考えず、自分のやりたいことだけをやっているというのは、自分のやりたいことをする手段が、お客さんになっているだけなんですね。
それをこの人は気づいていませんでした。
他の事例では、誰かに何かを書いてもらって、自分はしっくりきていないのに、その文章を使い続ける等も、サンクコスト効果が働いています。
かけたお金がもったいないと思うから捨てられないんですね。
投資したお金と時間を惜しむためにやり続けるから、あれもこれもうまくいかない、中途半端なままの人生になるわけです。
そして、こういう人は、思いつきでまた違うことを始めていきます。
このように、サンクコスト効果が働くと、あなたが本当にやりたい事や、あなたが楽しいと思える事、あなたらしくいられる事など、本当に効果的なことは何か?という事実から、ズレれてくるので注意が必要です。
やりたいことは、本当にやりたいことではありません
一番簡単な見極め方は、自分が好奇心旺盛だと思っているなら、サンクコスト効果にハマる確率は高いです。
興味があるものに飛びつくこと自体、サンクコスト効果ですから。
また、やりたいことが複数になってきたとか、3つも4つも入会してるとか、使わないアプリをいくつもダウンロードしてるなら、「サンクコスト効果にハマってるかも?」と自分を疑うことです。
要は、投資した時間やお金で、何かを使いこなせるとか、報酬が上がったとか、成果があった等の「数字」で見えるものが回収できていれば、サンクコスト効果にはハマっていないということですね。
本当にやりたいことは、自分では見つけにくいと言われるのは、
今までやってきたことに費やしたお金や時間がもったいないから、続けているにすぎないということに気づけないからです。
それに、一番ほしいものというのは、「億万長者に成ってもそれをするか?」という問いに、「はい」と言えるものが多いんですね。
私は「ブランディングのためのコンテンツ」という仕事がそれでした。
24時間でも飽きない、寝なくても疲れない、お金があろうがなかろうがやりたい・・・いつも夢中になっていたし、つらいときほど没頭できました。
サンクコスト効果は、誰にも起こりうることです。
最後に、本当にやりたいことの公式があるのでお伝えします。
本当に好きなこと×当たり前にできる得意なこと=やりたいこと
やりたいこと×使命=本当にやりたいこと
この2つのステップを順番通りに解決していくと、サンクコスト効果にハマらずに、本当にやりたいことで人生と仕事が輝きます。
【法句経(ダンマパダ)159】
他人に教えるとおりに自分でも行なえ。自分をよく整えた人こそ、他人を整えるであろう。自己は実に制し難い。(by 仏陀)
山本真弓
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