【欺瞞】搾取し続けるテイカーの見破り方と解決法
【テイカー】「恐いほど幸せなのに幸せを失うのはなぜ?」の続きになります。
・上司がテイカーだ
・家族がテイカーだ
・恋人がテイカーだ
・取引相手がテイカーだ
・客層がテイカーばかりだ
その場合、自分自身が、テイカーか、下位ギバーになっています。
相手にとって価値がなかったり、価値が伝わっていなければ、評価も下がります。
その結果、あなたは、相手こそテイカーのように見えて当然なのです。
それは自分自身がテイカーである可能性が高い。
その理由と解決策について解説していきます。
重要なのは 「幼少期にもらい尽しているか?」
幼いころ、「もらうことが当たり前」という価値観がしっかり根付かないまま大人になった人は、自分を犠牲者役に「人生のシナリオ」を描いていきやすい。
かくいう私もそうでした。
快適な住空間も、食べるものも、勉強する環境も、お小遣いも、稼ぐ力のない子供は、もらいっぱなしで当たり前なのです。
「溺愛」は、主体性を奪うので意味が変わってきます。
だから、ここでは割愛しますけど。
幼少期に「もらい尽くす」ことを体験できなかった人は、搾取される側になりやすいのです。
被害者意識のある人には効果がないギブ&テイク論
社会に出ると、何もしなくても周囲が何でもやってくれることはなく、お互いに「持ちつ持たれつ」という人に親切にする(ギブ)ことで自分が親切にされる(テイク)とか、自分が何かをしなければ、人は何もしてくれないことを学びます。
こうして社会は、ギブ&テイクが基本になります。
以前、富裕層に対して「私たち貧しい人間からお金を奪っている金持ちの税金をもらって何が悪いのか?」と言った生活保護の人がいました。
つまり、この人は、たとえば家賃など、払っているのでいるのではなく、家主に奪われていると思っているわけです。
反対に、払った家賃分は、また来月ももらえると思っている人もいます。
こうして、自分がもらったものを使うとき、奪われているとしか考えていない場合は論外として話を続けます。
じゃ、どうして貧富や幸福度の差が生まれるのか?
それは、なぜ頑張っている人の全てが報われないのか?ということになります。
・十分な商品サービスを提供しているのに適正価格で売れない
・たくさん労働をしているのに十分な報酬がもらえない
・メリットを提示しても買ってもらえない
等々、頑張って働いても、それに見合った利益や収入を得ることはイコールではないので、ギブ&テイクでは成り立たないことを自覚(絶望)できるんですね。
自分に奪われている被害者意識があれば、ギブ&テイクの効果はないのです。
それに得たものは本来、使えばなくなっていくのが普通です。
電気を使う→電気代が消える
当然、逆も同じなので、与えたものは、増えて戻ってくるのが本来の姿です。
IHで作った料理を与える→対価、感謝、笑顔、喜び、満足が戻ってくる。
ギブ&テイクの定義を明確にする
あなたは、ギブアンドテイクについてどんな考えをもっていますか?
その考えをまず明確にすることが重要です。
以下、3種類をご紹介します。
3種類のギブ&テイク
ペンシルベニア大学ウォートン校教授、組織心理学者のアダム・グラント氏によると、仕事における人間の行動は3タイプあると言います。
(1)ギバー
・考え方:ギブが多くあるべき
・先攻後攻:ギブが先であるべき
・関係性:ギブ&テイク/ギブ&ギブ
(2)マッチャー
・考え方:ギブとテイクは同程度であるべき
・先攻後攻:ケースによって変える
・関係性:テイク&ギブ/ギブ&テイク
(3)テイカー
・考え方:テイクが多くあるべき
・先攻後攻:テイクが先に保障されているべき
・関係性:テイク&テイク/テイク&ギブ
3種類を見分けるひとつに収入があります。
マッチャーは組織の中では平均的なポジションで給与も平均的。
テイカーは平均より少し上。
ギバーは組織でのポジションも給与も低い。
このように、アダム・グラント氏は調査結果を公表しています。
しかし、もう一方でこの調査で最も給与が高かったのもギバーでした。
平均ではギバーの給与は低かったのに、突き抜けて結果を出している人も、またギバーだったのです。
つまり、「搾取されるのも成功するのもギバー」だということです。
成功する上位ギバーと、搾取される下位ギバーは、相手のスタンスによって決まります。
要するに、付き合う人によって上位か下位にわかれてしまうということです。
逆に言えば、
与える相手を間違うから、自分が犠牲になってしまう。
ということですね。
搾取される下位ギバーは「ギブが多くあるべき」「ギブが先であるべき」と考えながら、「ギブ&ギブ」の関係性になっています。
自分が犠牲者役を演じる限り、誰に出会ってもギブ&ギブの関係性しか築けないのです。
かたや、成功する上位ギバーは、「ギブが多くあるべき」「ギブが先であるべき」と考えながらも、「ギブ&テイク」の関係性を築きます。
だから、下位ギバーは、多くの自己啓発書や、道徳的な教え、有名人・インフルエンサーらから、間違った思いやりや優しさを身につけて、「ギブギブギブ」と与え続け、搾取され続けるわけです。
搾取する彼ら(テイカー)は、自己犠牲の人(下位ギバー)をターゲットにするから当然です。
その自己犠牲の人たちの根っこにあるのは、私さえ我慢したらという思い込み(マインドセット)です。
「与えたら幸せになれる」といった、動機が「自分のため」になっていることに気づけないので、搾取する人を自ら求めてしまっているということです。
動機が自分のためなら、出会う相手も自分のためですから(鏡の法則/法鏡)
だから、与えたものが増えていないのなら、奪われているんですよ。
つまり、「テイカー」と関わる以上、「ギブギブギブ」の精神では搾取され続けるということです。
・永遠に起業できない起業セミナー
・焼き直しの自己啓発本を買い続ける
・資格を取り続ける
・有名人や講師の金魚のフン
・安く労働力を提供する
・フリーライダーに時間を奪われる
といった、テイカーにギブし続けても彼らの搾取対象にしかなりません。
費やした時間もお金も血肉にならないのです。
テイカーを見破る方法
自分の周りにいる人たちがテイカーなら、自分自身が犠牲になる人間関係を築いているということです。
自分の周りにいる5人の平均が自分自身である
この法則は、まず、自分の付き合っている人を見てください。
特に、あなたが社長で、No.2の人がテイカーなら、業績は伸びません。
ここでいう「No.2」とは、上から2番目の人のことではなく、社長の不得意なことができて、ビジョンと戦略を結びつけ、実現の根拠をつくる難易度の高い仕事ができる「経営のプロ」をいいます。
その経営のプロたちがテイカーであれば、それは社長自身に自己犠牲感があるということです。
普段から誰かに嫉妬心を抱いているなら、やればうまくいくことをやっていない現れなので、我慢していることが自己犠牲に変わるわけです。
なぜなら、
私さえ我慢すればと、私さえ犠牲になればはイコールだからです。
だから、誰かに責められた社長は、持って行き場のない自分を自分で責めやすいと言われるんですね。
つまり、犠牲感は、うまくいかない時、「私のせいで」になるんです。
手柄や主導権を誰かに手渡せない理由こそ、自己犠牲を生んでしまう原因になってしまうので、そうなれば自己犠牲を隠すためにプライドが高くなるのです。
プライドの高さと劣等感の強さは同じですね。
そもそも、仕事において自分の価値はなくてもいいことに気づかないと、無価値感のある人は特にテイカーと出会い続けます。
なので、テイカーを見破る方法は、あなたの「動機」だということです。
あなたが今しているそれは、妥協で選んだことですか?
それとも、自分に妥当だから選んだことですか?
テイカーに出会わない解決策と上位ギバーになる方法
自分の価値は、相手が決めるものなので、相手が何に価値を求めているかを考えることこそ、自分の価値につながるということです。
相手は変えられません。
変えられるのは自分だけです。
自分が変わることで相手との関係性を変えることはできます。
しっかりと自分のスタンスをギブアンドテイクにして、関係性の中でパイを増やす努力をすること。
自らの中にある妥協、打算こそが「テイカーの正体」です。
パイを増やす側に回るか?
それとも、パイの取り合いを続けるか?
その態度によって、成否はやる前に既に決まっているのです。
上位ギバー
・考え方:(相手にとって価値ある)ギブが多くあるべき
・先攻後攻:ギブが先であるべき
・関係性:ギブ&テイク
・注意:テイカーとはノーディール(関係しない)
・報酬:相手のパイを増やして自分もテイクする
ここを目指しましょう。
自分が属するコミュニティ(夫婦・恋人・家族・会社・クラス・部活・学校・地域・国・世界)に貢献していくことは大事です。
でも、貢献とは、利用されることではなく、価値を与えると言うことです。
所属するコミュニティ・関係性の利益を増やす。
ということです。
下位ギバー:「私のパイをどうぞ」
マッチャー:「あなたのパイを半分くれるなら、私のも半分あげます」
テイカー:「あなたのパイをくれ」
上位ギバー:「パイを大きくするには?」
だから上位ギバーが愛され続けるんですね。
あなたにメリットがあるから指名されているなら、何かあったときは指名されないのです。
山本真弓