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【本質】優秀なトップほど人が離れる理由と経営の3要素


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※画像:戦国/ライセンス:DMCA/出典:Wallpaperbetter




みなさんご存知の三国志「項羽と劉邦」から。



項羽は、将軍の名家に生まれ、幼少から兵学を学び、体格に恵まれ、部下に慈悲深く、愛した女性に一途で、優れた文武両道の持ち主でした。



かたや、劉邦は、農家に生まれ、武術にも政略にも政治にもうとく、勇気もないため、いつも強い者にへりくだり、弱い者に傲慢で、女にもだらしない性格でした。



でも、天下を取ったのは、劉邦でした。



項羽は、ついてきてくれる人がいなくなったことが、1番の敗因でした。



慈悲深い彼から、どうしてみんな去っていったのか?




戦いに勝って手にした領土を独り占めしたのは、優秀な自分のおかげだとうぬぼれていったからです。



その「うぬぼれ」よりも致命的な「人が自分から去っていく理由」が、女々しさだと、三国志には書かれています。



親切にしてもらい、優しい言葉をかけられ、慈悲深く接してもらっても、出し渋る経営者についていきたいとは思わないのです。



労働する経営者は無能だと言われるように、経営者の仕事は経営をすることなので、出し渋ると立ち行かなくなるのは必然です。



 

経営の3要素



  1. ビジョンや夢を語るのが得意な「アート型」

  2. 戦略や分析が得意な「サイエンス型」

  3. 経験に裏打ちされた専門性の高い「クラフト型」




トップは、どれかが欠けているか、極端な話、全部なくてもいいのです。


その代わり、絶対になくてはならないのが「インティグリティ」


No.2は、トップの不得意をすべてやらなければなりません。




よりインティグリティであったのが、劉邦のほうでした。



彼はできるだけ戦いを避け、戦わざるを得なくなったときも、可能な限り降伏を促し、降伏した者からは領土を没収しない約束を交わし、領土拡大に貢献してくれた者には、得た領地を惜しみなく与え続けました。



そのため、全国から優れた人材が集まり、彼らは劉邦に忠誠を誓うようになり、与えた財が何十倍にもなって劉邦の下に還ってきたのです。



ですが、そんな劉邦にも致命的な欠点がありました。




それが、「劣等感」です。




彼の右腕として活躍した韓信が自分より優れていることに嫉妬し、裏切られる恐怖から韓信を処刑します。



劣等感は猜疑心を強めていくので、自らを被害者に、相手を加害者にして信頼関係を崩壊させていきます。



劣等感を根源にもつ猜疑心は、さらに新しい加害者を求めていきます。



自分が被害者でなければ、自分のせいにされた過去の古傷が癒えないからです。



「項羽と劉邦」の話から私たちが学ぶことは、2つあります。




  1. トップに立つ者は、特別な才はなくてもいいが、部下を信頼し使うインテグリティ(高潔さ・真摯さ・誠実さ)が必要

  2. 他人の利益(利他)のために尽くすこと



この2つが、結局トップの利益(自利)になるのです。



インテグリティとは、ドラッガーが提唱したトップのあるべき姿のことです。



高潔さ、真摯さ、誠実さは見えないので、ドラッガーは「インティグリティが欠如している人」を示すことで、インティグリティとは何たるかを提示しています。



  1. ​強みよりも弱みに目を向ける者

  2. 何が正しいかよりも、誰が正しいかに関心を持つ者

  3. 真摯さよりも、頭のよさを重視する者

  4. 部下に脅威を感じる者

  5. 自らの仕事に高い基準を設定しない者





つまり、これらの逆は、


裏表のない一貫した信念がある人のことです。




劉邦は、部下に脅威をもってしまったがゆえに、優秀なNo.2を処刑してしまったわけです。




 

優秀なある2人に差がついた「真摯さ」




ある2人は、どちらも社内での貢献度が高かったので、会社から同じくらい評価されていました。



人間関係も問題なく、周囲からも信頼されていた2人ですが、慕われていたのは「真摯さ」のある人でした。



ある日、慕われている人は、自分の失敗を見つけてくれた後輩に「教えてくれてありがとう、助かったよ」と言いました。



別のある日、もう1人の優秀な人は、部下が彼のミスを発見し報告したとき、「気がついた人が間違いを訂正して提出してくれればいい」と言ったのです。




物事がうまく行ってるときには見えなくて、困ったときにその人の本質が見えるので、徐々に仕事や人が離れていくのです。




こうして、真摯(ひたむき)であるかどうかは、ネガティブな出来事で見ることができます。




インティグリティが「裏表のない一貫した信念」であるならば、それを言語化したものが、理念やビジョン、行動指針です。




事実として、トップにビジョンがない組織ほど、インティグリティが欠如した人が多い特徴があります。




中小企業に務める会社員1000人を対象とした「会社の理念を知っていますか?」というアンケートで、「知らない」「知ることに意味がない」と答えた人たちのほうが、「知っている」「共感できる」と答えた人より、会社が楽しくないと答えています。




会社そのものにも興味がなく、不満を抱いている人が多かったのが特徴的で、これは採用側が「この人でもいい」という打算で採用している可能性もあります。







中小企業で理念やビジョンが社員に浸透していない、作っていない会社ほど、No.2とトップはうまくいっていないのです。



結局、インナーブランディングができていないんですね。




そのせいでNo.2不在のトップも多い。


No.2が不在だから、1人で考え、1人で決断しなければならない。







だからうまくいかないのです。




この状態は、トップが越えてはいけない一線を越えていると言わざるを得ません。


現場が主体的に動こうと思えるのは、No.2の言葉だということを、トップ自身が見逃しています。



あくまでも現場にとってリーダーは、No.2でありトップではないのです。




劉邦は、No.2の韓信を処刑する前、こんなやりとりがありました。



劉邦「俺にはどれほどの将の器があると思う?」


韓信「陛下ならざっと10万といったところでしょう」


劉邦「じゃ、お前はどれくらいあるのか?」


韓信「私なら100万の兵であろうが自在に操れます」


劉邦「俺が10万でお前が100万なら、なぜお前は俺の下にいる?」


韓信「私は兵を操るのに長けた“兵の将”にすぎません。しかし陛下は、将を使うのに長けた“将の将”です。兵の将では、将の将に及びません」




つまり、No.2に慕われるトップと、現場に慕われるNo.2では、人数の違いではなく、役割が違うのです。



トップは、仕事ができる人材ではなく、No.2に選ばれる「インティグリティ」にならねばなりません。


それは、自分の手柄を相手に渡すことが必要です。




人間の苦しみの根元は、無明の闇と言われるように、不安がいつもあります。


不安だから恐いのです。


恐いから本意じゃない逆のことをやってしまうのです。


釈迦は、「絶対の幸せを疑う自分の心を絶ち切らなければ、無明の闇を破ることはできない」と教えています。



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山本真弓



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