【好きの盲点】好きなことが仕事になるには前提があります
※画像:ラスベガス・ネオン博物館/ライセンス:DMCA/出典:Wallpaperbetter
没頭できるものがありますか?
よく、「好きなことだけでは食べていけない」と言われるけど、それは本当にその通りです。
だから世間に蔓延する「好きを仕事に」は、前提があります。
好きなことの中にある「マジ好きなこと」というのは、寝食忘れるくらい夢中になれるもののことを言います。
その「本当に好きなこと」と、自分が当たり前にできることが交差するところが、「やりたいこと」なんですね。
「寝食忘れるくらい夢中になれること」というのは、没頭できている状態です。
没頭している状態というのは、「集中できている」ということです。
楽器を弾くことが好きだとしたら、延々弾き続けていられる状態のこと。
読書が好きなら、たとえ電車の中でも、本の内容が頭に入ってくる状態のこと。
その時、もっとうまく弾きたいと思う人は、うまく弾ける方法を覚えようとします。
読書であれば、疑問が湧いたところを自ら率先して調べて、解決しようとします。
この状態が、「専門分野の入口」の扉を開けたということです。
ワインが好きでいろんな種類を飲み続けていたら、一口飲んだだけで銘柄がわかるようになった。
「ワインの専門家」に成る道に入ったということですね。
ただワインが好き、コーヒーが好き、料理が好き、アニメが好き、カメラが好き・・・だけなら、それは消費者にしか成れないということです。
好きなことのために、どれだけ没頭する時間を費やしてきた?
何時間でもやり続けられることは何?
それはお金をもらえなくてもやり続けたい?
「好きを仕事にしたい」のであれば、最低限この3つを明確にしてください。
続ける目安の諸説として、「1万時間の法則」がよく引用されるのですが、別に1万時間じゃなくてもいいとか、練習量がすべてではないという意見もあります。
確かに個人差はあるので、あくまでも継続する時間の目安にすればいいんですね。
また、この1万時間の法則は、一流になるためにあるわけではありません。
だから、個人的資産、社会的資産からなる「移動力、客観力、発言力」を上げていくために、何時間やっても飽きないことをキャリアとして積み上げていくことを継続の定義にすると、自分はどう動けばいいのかがわかりますね。
個人的資産:才能や能力
社会的資産:あなたなら任せられる信頼、認知力、人脈
移動力:どこにいっても通用するあなた
客観力:市場価値を上げていけるあなた
発言力:「真・善・美」を語れるあなた
真・善・美とは、社会の情報を鵜呑みにしないで真実を調べようとする動作そのもののことです。
噂を一緒に拡散しない態度もそうですね。
資格等の後天的スキル(資産)は、時代が変われば陳腐化します。
でも、
移動力、客観力、発言力など、才能を活かす能力は普遍的で、どこにいっても、いつの時代でも通用する人間力として生き続けます。
つまり、
「好きを仕事に」という本来の意味は、ずっと延々続けられる自分の「情熱」をキャリアライフに、どこでも通用する自分で楽しい人生を送ろうということです。
だから、
本当に好きなことと、自分が当たり前にできることは、必ずしも一致するとは限らないんですね。
好きを仕事にするためにやるべきこと
それが、好きなことと、やりたいことの掛け合せ作業です。
本当に好きなこと×当たり前にできること=やりたいこと
やりたいこと×使命=本当にやりたいこと
このステップを実行します。
その結果、どういった状態のとき、あなたは評価されたと言えるか?
その目安になるのが、相手の「5つの体験価値」です。
私向けのものだと思える
私にとって意味がある
オープンで正直である
私の立場で考えてくれる
いい気分にさせてくれる
参照:Interbrand
好きなことが仕事になったかどうかは、提供した相手の体験価値で見ることができるということですね。
あなたが提供したい相手とは、あなたを必要としている人ですから、ターゲットを間違えると「こんなもん」という評価を受けてしまいますよ。
ターゲット(あなたを必要としている人)とは、あなたがかつて解決したくてたまらなかった問題を、まさに今解決したいと思っている人です。
こうして好きなことをやるだけなら、人がどう思うかは気にしなくていいのでしょうが、好きなことを仕事にしたいのであれば、自分のやりたいことが社会に用意されているわけではないということを分かって上でやらないといけないですよね。
価値はあなたが作るものでも、価値があるかどうかを認めるのは人だし、ブランド価値は、相手が見出してくれるものですからね。
山本真弓